口から血が出ることを、吐血、または喀血と言います。
この二つの違いについて解説します。
出血の場所が違う
吐血と喀血は、出血の場所によって言いわけています。
「吐血」は食道・胃・腸など消化器官から出た血が口から出てくることです。
「喀血」は気管・肺など気管支系で出た血が口から出てくることです。
吐血の特徴
「吐血」は、消化器官で出血が起こり、出た血を異物と認識して吐き気・嘔吐を起こすことで体外に出てきます。
消化器官の血であるため、消化液が混じっており、独特の酸っぱい匂いを伴います。
色は、鮮やかな赤である場合も、暗褐色である場合もあります。
鮮やかな赤で大量に吐血した場合は、すぐに止血する必要があります。
暗褐色で量が少ない場合は、胃潰瘍などによるもので、多くはストレスが原因です。またこの場合見た目がコーヒーのカスに似ており、コーヒー残渣様と表現されます。
喀血の特徴
「喀血」は、気管や肺で出血が起こり、咳き込むことで血が出てきます。
空気をやりとりしている臓器からの出血であるため、泡が含まれていることが多いです。
一番よく知られている喀血は結核のものでしょう。
色は、鮮やかな赤が普通です。気管にものが入るとすぐにむせますよね。出血してもすぐに出てくるので、時間が立って黒くなるということがないのです。
吐血と喀血の見分け方
嘔吐で出てくれば吐血、咳で出てくれば喀血です。
吐血の血は酸っぱい匂いがあり、食べ物が混じっている場合もあります。喀血の血は泡があります。
色が黒ければ吐血です。鮮やかな赤だった場合、どちらの可能性もあります。
吐血、喀血の応急手当
どちらの場合も、まずは安静で楽な姿勢にし、呼吸がしやすいように衣服を緩めます。
口に血がたまって吐き出せない場合、窒息の恐れがあるので、割り箸などにガーゼを巻いて取り除きます。
取ったものは捨てずに医師に見せるようにします。