加齢による細胞老化には、がんの抑制とがんの促進という2つの面がある

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加齢による細胞老化はがん抑制機構である可能性がある

体細胞の分裂寿命と個体寿命には相関がある。加齢によりDNA修復機能が衰えるが、その分細胞分裂の速度も落とさないと、修復が間に合わずがん細胞が発生してしまう危険があることから、細胞老化はがん抑制機構である可能性がある。

p16は細胞老化を促進する遺伝子のひとつである。野生型マウスは2年生きて老衰するが、p16をノックアウトしたマウスは1年でがんになって死ぬことから、実際に細胞老化はがん抑制機構であるといえる。

老化による発がん頻度の増加

しかし、年をとると細胞老化も発がん頻度も上がるので正の相関があるようにも見える。近年この疑問の答えが明らかになってきた。マウスの皮膚に穴を開けるとき、細胞老化遺伝子をノックアウトしたマウスだと治りが悪い。細胞老化した細胞は、自らはもはや分裂できないので、けがの修復のために他の細胞が分裂できるようSASPという現象を起こす。このSASPにより増殖因子の他に炎症性サイトカインが分泌され、炎症により加齢性疾患が発生する。

肥満によりがんのリスクが高まることが知られているが、そのメカニズムは次のようなものである。肥満になると、腸内細菌でグラム陽性菌が優勢になる。グラム陽性菌はDNAダメージを引き起こす二次胆汁酸を作る。この二次胆汁酸が門脈を通って肝臓に移動することで、肝星細胞にDNAダメージを与え細胞老化させる。細胞老化した肝星細胞がSASPを起こすことで肝がんが発生する。

コメント

細胞老化には、がんの抑制とがんの促進という2つの面があることが分かりました。炎症を起こすSASPも組織の損傷を直すという正の役割があり、生物の複雑さに驚くばかりです。また肥満がどのようにして肝がんに繋がるかについても大変興味深かったです。このような知識を得ることは意識の面、ひいては日常生活の行動の面でも重要だと感じました。これからも医療についてアンテナを張っておこうと思います。

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