今日はSCPにおける概念のひとつであるヒューム値についてお話します。
わかりにくいですが、現実改変・現実歪曲系のSCPを理解する上で重要な概念なので、おさえておきたいです。
ヒューム値とは?
ヒューム値とは、ある範囲における現実性の強度のことです。
ヒューム値には高い/低いがあります。
場所だけでなく、人にもヒューム値があります。
基準値は1です。
具体的には次の項で説明します。
高い/低いとどうなる?
ヒューム値が高い人:現実改変者
ヒューム値が低い人:望みがことごとく叶わない「呪われた人間」
人間のヒューム値は、周りを意のままに変えるために必要なステータスといえます。
ヒューム値が高い場所は、
・現実性が高い
・結合が強い
・数式的(神がかっている・霊験あらたか)
ヒューム値が低い場所は
・現実性が低い(異常な物事・事象が観測される)
・秩序が崩れる(減る)
・時系列が異常になる
・乱雑、無意味
・時間も空間も小さいスケールで存在する(時間がほとんど経たない・移動しようとしても移動できない)
・普通の人が一時的に現実改変者のような能力を得る
また、ヒューム値は気圧のように、高い方から低い方へ流れます。
ゼロやマイナスだとどうなる?
今の所、ゼロやマイナスのヒューム値をもつオブジェクトは発見されていません。
マイナスのヒューム値は定義されていません。ただし、おそらくは、宇宙の基本構造に何かとてつもない誤りが生じたことを示す、と考えられています。
ヒューム値の測り方
ヒューム値はカント計数機によって計測することができます。
カント計数器とは?
カント計数機は次のような仕組みです。
財団はヒューム値の基準となる2つの小型空間を作ってあります。
スクラントン現実錨(次の項で説明します)によって、
片方は高ヒューム値(100)に、もう片方は低ヒューム値(0)に固定されています。
カント計数機はこの2つの小型空間にアクセスでき、これらと計測対象を比較することでヒューム値を測ることができます。
スクラントン現実錨(SRA)とは?
ヒューム値を固定する装置です。
現実錨の錨は「いかり」です。
いかりを下ろして、空間を一定のヒューム値の地点で固定します。
どのように固定するかというと、別の宇宙から現実性を吸引してこの宇宙に使用しています。
吸引先の宇宙にはもちろん悪影響が出ますが、それらは、Kクラスシナリオを経験し、生物の存在しない「死んだ」宇宙です。
なので、どこかの世界が私達の世界の代わりにめちゃくちゃになる心配はありません。
現実改変とヒューム値の関係は?
現実改変能力を持つものは、本人のヒューム値が高く、
本人を取り巻く空間のヒューム値が低くなっています。
ただ、先述したようにヒューム値は高い方から低い方へ流れるものです。
つまり現実改変者はヒューム値の差で能力が使えるというより、ヒューム値を固定する能力を持っているもの、と解釈できるかもしれません。
(ヒューム値の低い場所では誰でも現実改変ができます)
元ネタ・語源は?
元ネタは明らかになっていませんが、筆者の意見としては、
高い方から低い方へ流れるという性質から、物質の濃度を連想しました。
SCP-3001 レッド・リアリティでの描写は浸透圧を思い出させます。
シャンプー(相対的に高濃度)が目(低濃度)に入ると痛みを感じるあれです。
ヒュームというネーミングについては、懐疑論(懐疑主義)で有名な19世紀の哲学者デイビッド・ヒュームが思い浮かびます。
懐疑論とは、人間の認識の絶対性を疑い、真理には到達できないとする立場です。
現実改変という概念は絶対的真理の存在を否定するものともとれるため、ヒュームの名前を使ったのではないでしょうか。
筆者のヒュームについての知識が高校倫理レベルでしかないので勉強したら加筆します。
関連SCPまとめ
SCP-3001 レッド・リアリティ
スクラントン現実錨の開発にかかわったスクラントン博士が主人公です。
「薄められる」という独特の怖さを感じさせてくれます。
実験では扱っていたのは0.4までのところ、0.04という未知の領域に入っていく様子が見事に描かれています。
SCP-343 神
ヒューム値1/86
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